これは24歳銀行員が、地方銀行を辞めるまでの物語【part6:地獄の融資③】

 

前回は僕が初めて融資案件をこなしたときの話をいたしました。

本当はもっと語りたいことが大量にあったのですが、それをやると専門的過ぎて誰も読みたくない文章になるので省略します(笑)

さて、長編になったこの辞めましたシリーズですが、今回は

  • 信用格付
  • 僕が次第に退職の意思を固めていったお話

になります。

是非ご覧ください。

融資を終えた僕に襲い来る”信用格付”

人生で初めて300万円の融資を実行した僕。

その実感を得て、融資の面白さの一端に触れることにも成功したわけです。

がしかし、融資には息つく暇等ありません。

3月が終われば4月。次には”信用格付”と呼ばれるもののラッシュが襲い来ます。

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信用格付とは

格付けは法人の”信用度”を数値化するもの

よく聞く信用格付という言葉ですが、これは銀行が相手の法人の信用度を数値化する時に使います。

うちの銀行では以下のように分かれていて、

SSSが最強、Zが最低の格付になります。

SSS……最強。国とか県とかの最高の信用度を持つ存在。

SS……国関連の企業等々、最高の信用度に準ずる信用度の企業がなる。

S……一般企業最高の信用度。多分トヨタとかでも格付けは行けてここまで

A……超優良企業。是非金貸したい。

B……優良企業。支店の大口先と言われるところは大体ここ。

C1……優良企業。

C2……優良企業。

D1……ギリ優良企業。

D2……ギリギリ優良企業。ちょっとこのレベルだと貸出推進には慎重になる。

E……要注意の先。ここから下はちょっと危ない企業群

F……結構危ない先。赤字だらけで、その補填として金を貸してほしいという企業が多い。

G……ゴリゴリ危ない先。貸したお金を返せなくなって、条件変更とかをしてあげるとここ。

X……もう破綻するんじゃね?って先。ここから下は原則お金はもう貸せない

Y……破綻秒読みで、事実終わった先。

Z……破綻した先。担保売り払ったりして、金の回収を頑張る。

三菱なんかは1~10で表していたりするみたいなので、表記自体は変わりますが、多分大体同じ扱いだと思われます。

この判定が中々難しい

これが結構難しいんですよね。

その銀行銀行で定義されている

”所要運転資金”

”キャッシュフロー”

”償還力”

等々を検討して、

「この格付けでいいのか?」

みたいなことを数十枚の紙を使ってやるので、めちゃめちゃ大変です。

とは言え当然案件よりは楽なんですが、モノによっては終わらせるのに2週間とかかかるものもありました。

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5月は信用格付ラッシュの月

そして五月は信用格付のピークとも言える月でした。

何があるかって、個人事業主の格付の期限が5月なんですよね。

そして個人事業主って支店に結構存在してて、僕の担当先は個人事業主だけで50先ぐらいありました。

50先もあるとまず確定申告書を集めることすら一苦労なんてもんじゃありません。

格付の作業自体にもとんでもない時間がかかるのに、

  • 申告書貰いに会いに行ったり
  • 来てもらったり等のアポイントを取る

のにも時間がかかる訳です。正直一年目の野郎にゃ荷が重くて重くて。

日中格付で頭を悩ませている暇がなかったので、

家に確定申告書持ち帰って全部紙に書きだして、支店に来たらそれをタイピングするだけ!

みたいなこと毎日やってましたもんね。

土日も出ましたし、なんなら残業時間の上限45時間を超えてたので、途中から普通に潜ったりもしてました。

ちなみにそれでも終わらず、副長とH先輩に怒られて結構取り上げられたりしました。

死ぬほど怒られながらも過ごす日々。しかし……

融資の仕事の一つに「営業を馬鹿にする」があった

融資の重要な仕事の一つに、

「営業の皆さんを馬鹿にする」

というものがありました。

「おま、仕事って言うのは言い過ぎだろ」

って思った方いると思うんですけど、そんなことはありません。

マジで仕事でした。

なんで仕事かって言うと、営業の悪口言わないと融資の副長の機嫌悪くなるんすよね。

めちゃくちゃ営業の悪口振ってくるので、一回反目してみたら、めちゃくちゃ機嫌悪くなったんですよ。

普通に業務に支障出るぐらいの感じで機嫌悪くなったので、

「マジでガキかこいつは」

と思って戦慄していましたが、僕の上司はそんな奴なのです。

元々ストレスフルな現場なのに、加えて被害を被るのはごめんです。

あいつの承認が無ければ僕はなんの仕事もできやしないので、奴との関係は良好であるに越したことはないのです。

「上司のご機嫌取り」は銀行員の大事な仕事です。

旧日本の体質をこれでもかというぐらいに残しているわが銀行です。

それが仕事の一つであることは想像に難くないでしょう。

なので、もはや営業を貶めることは、処世術という名の仕事であったのです。

営業に比べて、確かに融資は大変だった

正直、融資は本当に大変でした。

僕が支店を出るのは大体誰よりも遅かったですし、残業時間もトップ3には必ず入っていました。

そして家に持ち帰ってでも仕事をやって、それでも仕事が終わらない。

貸してくれと懇願してくる客と貸せないと突っぱねる上司の間で板挟みになる。

自分が失敗すればその会社がつぶれるかもしれない。

そんな責任と仕事量を背負った業務が融資なのです。

営業も営業で大変でしたが、そのレベルは正直段違い。確かに融資が威張っているのも納得の忙しさでした。

しかし営業を馬鹿にしていい理由はない

しかし、だからと言って営業を馬鹿にしていい理由は無いんですよ。

自分が仕事やってりゃ人を馬鹿にしてもいいのかって話。

確かに営業の副長は出来ないに分類される人でしたし、その人が数字を取ってこれていないのも事実でした。

でも営業グループとして最終的に目標をちゃんと着地させていましたし、営業担当の人は自分のノルマを期中で達成していました。

数字的に見ても、決して頑張っていないわけではないのです。

だというのに相手の発言力が低いことをいいことに、ストレスの吐け口として大の大人が”いじめ”を行っているわけです。

正直、醜くて醜くて見てられませんでした。

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平然と吐かれる信じられない暴言。止めない上司

  • チンゲ生えたか中学生
  • 俺の一歳の子供の方がまだ優秀だ
  • だからテメェらは馬鹿なんだ
  • ガキが。黙って俺の言うこと聞いてやがれ

等々、よくもまぁそんなに出てくるなってレベルの暴言がポンポンと口から出てくること出てくること。

そしてこの男の本当にヤバい所は、説教がとてつもなく長いんですよね。

一回始まると20分説教を受け続けるとか普通です。

強い言葉で長い説教を受けるので精神的にも摩耗しますし、普通に仕事の時間がとられます。

結構追い詰められてるでしょあの人……って状況でも構わず説教します。

そしてそれを上司は止めないんですよね、一切。

支店の階級の説明

うちの支店には

  1. 支店長
  2. 次長
  3. 副長
  4. 事務職①
  5. 事務職②
  6. 事務職③

という階級があって、ヤバい副長は3の位置にいます。

なのでヤバい副長を諫めることが出来るのは支店長、次長のみなのですが……

次長はYesマン、支店長は我関せず

次長はその副長の言葉の言いなりです。

いい人ではあるんですが、その副長に全面的に賛同してるんですよね。

その副長は声がデカすぎるので、巻かれておくのが正しい選択。

それを次長がやっちゃうか……って感じですが、それが行われていたのが我が支店。

そして新しい支店長は”数字が稼げればどうでもいい人”だったので、我関せず。

むしろ数字を稼げるその副長にベタ惚れしてたので、注意何て一切しませんでした。

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この銀行は所詮”稼げればいい”銀行だと気が付いた

「顧客本位の~」とか言ってますが、結局うちの銀行は稼げれば何でもいいんですよ。

そして問題なのは、現場の人間もその考えに染まっちゃってることなんですよね。

うすうす感づいてはいたんですが、それを僕が確信したのは営業の人が一人辞めたことでした。

営業の一人が辞めた

営業の女の人が一人辞めました。

表向きの理由は「支店に行くのが嫌になった」というもので公表されました。

が、僕らは本当の理由を聞いていました。

その女の人は「例の副長が作り出す雰囲気が嫌で嫌で仕方がなくて支店に行きたくない」としっかり発言していたのです。

正直この女の人に関してはその副長に直接的な打撃を与えられたわけではないので、

「なんでお前が辞めんの……?」

って感じではあったのですが、それでも原因はその副長な訳です。

ですが、その事実は徹底的に隠蔽されました。

むしろ標的はすり替えられ、もう一人の営業の担当者があたかも悪いかのように次長なんかは話したそうです。

確かにその営業の人の話も実際に本人の口から出たそうではあります。

ですがそんなのは問題の一割にも満たない些事です。

ですが本当のことを話すのはリスクが高いから、比較的傷が小さく済む奴を矢面に立たせてスケープゴートにしたんですね。

それを聞いた瞬間、本当にこの支店は終わってやがると心底思いました。

でもその副長は異動も何もしない

実は僕の同期だか誰かが人事面接の時に

「あの人が嫌だから支店に行きたくない」

と涙を流したそうです。

ちなみに僕も「総合監査」という所で色々とチクらせて貰ったりもしました。

他にもパートさん辺りからその副長の問題点が散々人事や監査部に上がっても居た見たいです。

ですが、処分は特にない。

唯一あったこととしては人事面接で怒られたぐらいだとか。

稼げるし、優秀だし、支店長が手放したくないので、何か処分しようにも、出来ないんですよね。

その人間により下の人間が辞めていくよりも、その人間を捉えて置く方が銀行としては得策だと判断したわけです。

退職の意志は次第に固まっていった

そんな状況を見ているうちに、退職の意志は徐々に固まっていきました。

退職する人間は基本的にその副長が、もしくはその副長が作る雰囲気が嫌で辞めているというのに、それを支店はひた隠しにする。

そしてその事実を人事等に上げても、一切人事は動かない。

どころか人事はそちら側の見方ですらありました。

僕の友人が支店長の問題点を人事部長に勇気を出して報告した所、人事部長経由で支店長にそれが伝わったとか。

そんなこんなを見ているうちに、うちの銀行に対する失望が徐々に募っていきました。

大企業何て所詮そんなものかもしれません。どこも変わらないのかもしれません。

ですが、そんな企業で一生を捧げていくのか?と考えた時に、僕は絶対に否でした。

人を押しつぶして、人の人生を台無しにした人間が、のうのうと上に立っている。

そんな銀行に、僕は居続ける意味を見いだせなくなったのです。

そうこうしている内に、退職の意志は次第に確固たるものになっていました。

まとめ

長くなりましたが、この話は次で最終回になります。

次回は僕が実際に退職を切り出して、辞めるまでの話を語っていこうと思います。

前回

これは24歳銀行員が、地方銀行を辞めるまでの物語【part5:地獄の融資②】

2019年1月23日

次回

まだ

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