これは24歳銀行員が、地方銀行を辞めるまでの物語【part4:地獄の融資①】

 

良くしてもらっていた支店長の異動に悲しむ僕。

そしてそこに告げられる衝撃の事実!

今回は僕が融資になった時の話を書いていきたいと思います。

まず初めに:融資とは

僕は前の記事から融資融資言ってますが、融資ってそもそも何でしょう。

深く語ると長くなるので手短に、

「銀行と融資」

の関係性について語らせて貰いたいと思います。

融資とは「金を貸す」こと

融資とは簡単に言えばお金を貸すことを言います。

皆さんが組まれる住宅ローンも「融資」ですし、企業が何かを買うときにお金を借すことも「融資」といいます。

そして銀行内で融資を行うグループが「融資グループ」であり、正に僕が配属された部署でした。

融資は銀行の根幹を成す業務

融資って言うのは銀行が銀行たる所以の業務です。

銀行は金貸しから生まれた存在であり、銀行の最も古典的で中核を成す業務は金貸しなのです。

銀行の収益と言うのは、融資によって支えられています。

融資あってこその銀行で、銀行と言うのは融資によって成り立つ株式会社のことを指すのです。

「融資が出来ない銀行マンは銀行マンじゃない」

と言われるのはこれが理由ですね。

ちなみに半沢直樹は融資マンです。

融資は根幹を成す業務なだけあり、難しい

さっきも言った通り融資は金貸しなので、やっていることは非常にシンプルなんですよ。

  • 金を貸して
  • それを返して貰う

ということを延々とやっていけばいいだけですからね。

本当に極論を言えば「金を貸して返して貰えばいい」訳です。

簡単ですよね?

でも、お察しの通り、融資はそんなに簡単ではありません。

友達にお金を貸す際のことを考えて貰えばわかると思いますが、

  • 何に使うのか?
  • どうして必要なのか?
  • いつ必要なのか?
  • いつ返すのか?
  • 何の金で返すのか?(アルバイト代が入ったら返す、等)

等を結構慎重に聞きますよね?

多分どんなに仲がいい奴でも、金を貸すのに納得がいく理由を教えて貰えなければお金って貸したくないと思うんですよね。

「10万貸して!」

って言われて、その使い道を聞いたら

「分かんない!」

って返されたら、いくら親友とかでも貸すのを躊躇うと思います。

そして銀行と言うのはそれを、赤の他人も他人である法人相手に行う訳です。

  • 貰った決算書には偽装があるかもしれない。
  • 相手先の社長の言うことは嘘かもしれない。
  • そもそもその企業の居るマーケットの未来が見通せない。
  • 日本経済もどうなるか良く分からない。
  • そして扱う金額は数百万円が”安い”と感じる規模のお金。

そんな中で自分が貸したお金が返ってくるかどうかを検証し、お金を貸す。

それが銀行の融資係の仕事なのです。

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融資には大きく分けて2つ部門が存在する

法人融資(プロパー)

銀行の花形部門ですね。

会社の社長や財務部長などを相手に融資の話をし、実際に融資を行う部門です。

正直銀行業務の中でも一番難しいと言われる部門で、個人的にも相当にこの業務は難しいと実感させられました。

銀行の中でも特に発想力、思考力が試される部門であることは間違いがありません。

半沢直樹とかが所属しているのがこの部門になります。

メガバンクの総合職なんかは大体この部門を担当すると考えて貰って大丈夫だと思います。

出世する銀行員で、この業務に携わっていない人は結構少ないです。

個人融資(ローン)

住宅ローンやカードローン、マイカーローン等を扱う部門になります。

銀行の支店に行けばこれを担当している人には会うことが出来ますね。

結構女性が担当していることが多く、うちの銀行だとローンセンターなる物があって、女性がゴリゴリにローンの担当をされてました。

これも非常に仕事の難易度がめちゃクソに高い部門です。

是非皆さん、住宅ローンを借りに行ったときに担当者が仕事にアタフタしていても怒らないで上げてくださいね。

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突如決まる僕の融資への異動

前回の記事で、支店長が異動になったという話をしました。

支店長が消えて、新しい支店長が入ってくる。

それは支店にとって結構大きな話で、得意先へのあいさつ回りなどを徹底的に行わなければならないので、非常に大変な出来事だったりします。

しかし僕にはそれよりも大きな事件があって、なんと魔境である融資に異動させられることになってしまったのです。

その知らせは飲み会の席で

嫌な予感はしていたんですよね。

融資の先輩も一人異動だったので、誰が融資に入るんだ……?

という疑問が僕の頭にはしっかりあったからです。

それに一番動かしやすいのが僕のポジションだったので、ぶっちゃけ僕の異動可能性が高いのは分かってました。

しかしまさかな……と淡い期待を抱くも束の間。

異動が発表されたその日の飲み会の席で、融資への移籍が告げられました。

告げられる異動と聞かれる心意気

飲み会で支店長を送別していると、

「そう言えば○○。お前融資に異動になるけど、どう思ってんのや?」

と融資の副長からいきなり投げかけられました。

は?

ってなる僕に対し、得意げな顔の副長。

その言葉と場の流れで自分が融資になるという事実を瞬時に認識し、

(うわ、僕融資に異動になんのかよ……)

とガチで嫌がっている僕の近くに、その副長が近寄ってきやがります。

基本この人の近くには誰も座りたがらないので、僕も離れた所に座っていたのですが、わざわざ寄ってきた訳です。

近寄ってくるなよ……と思うのも束の間、再度、

「お前融資係になる訳だけど、どう思ってんのや。お前の心意気を聞かせてみろ」

と宣ってきやがります。

いや、別に心意気も何も今初めて聞いたわこの馬鹿が。

とか思いつつもそんなことをまさかいう訳にもいかず。必死こいて考え、

「正直まだ実感はないですが、Hさんみたいな融資係になれるよう努力したいです」

と告げました。

H先輩は後述しますが、尊敬できる人なので、嘘は一言も言っていません。

ある程度上手く当たり障りなく返せたか……?と思っていると、その副長が切れ始めます。

突如始まる説教

僕的には結構いい回答なのではと思っていたのですが、残念ながら奴の心には届かず。

「Hみたいになりたいって言ってるが、それはこの俺と対等に融資の話が出来るようになるってことだ。俺らは寝ずに仕事をしてここまで成り上がってきた人種だ。お前がそれだけの人材になりたいというのなら、俺は容赦しない。その覚悟がお前にあんのかや」

と、メンヘラ女もびっくりな情緒不安定さで僕に説教をかましてきます。

まじかー。これでもこいつの琴線に触れちまうのかーとドン引きする僕。

まさか正直に「いや、融資そもそもやりたくないっす」

とは言えない中、酔っぱらっている頭で良く捻り出した!

と自分を褒めたくなったものですが、キチガイには通用しませんでした。

ちなみに今の僕でもこの時の適切な回答は思い浮かびません。

ちなみにその人が飲み会で説教をし始めることは日常茶飯事。

なので、回りも適当に聞き流してましたし、僕も聞き流してましたが、不思議な説教もあったものです。

ちなみにH先輩はその時、僕の隣で爆笑してました。

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僕の融資時代の話

結局、僕は法人融資の部門に配置されました。

ここは普通銀行員を3年ぐらい経験した人が行く部門で、まだ一年目の新人がこの部門に行くのはかなりレアでした。

僕が配属された時点では同期の中でも10人居ないぐらいだったと記憶しています。

そしてそこに配属された僕の日々は結構激務でした。

配置数日の僕に襲い来る融資雑務

配置されて数日。

ぶっちゃけ地獄を極めておりました。

うちの支店の融資は朝だけで少なくとも14種類の書類を出し、それをきちんと正当な順番で並べ、正確にマーカー等を付けなくてはならないのです。

辞める直前あたりこそ

  • その書類にどんな意味があって
  • だからどんなアプローチを取るべきか

が少しずつ分かってきていたんですが、配置されたての頃に分かる筈がなく。

しかもその日々のルーティーンって、今まで僕の先任で居た人がやってたので、今居る先輩に聞いても良く分かってないんですよ。

なので下っ端の仕事を聞いても答えてくれる人が居らず、日々のルーティーンですらままなってなかったんですよね。

しかもクソ副長に聞いても

「なんで俺に聞くのや?まず先輩からだろ。先輩に分かんないって言われた?ならお前で考えて回してこい」

って言われるだけなので(実際何回も言われた)、聞くに聞けず。

考えて回せば

「書類の並べ方が違う」

「書類のここにマーカーしろと言ったのを忘れている」

「この書類の意味を理解しているのか」

等と叱責を受け続け、直して再度回覧するもまた起こられて突き返されてを延々リピートし、ヒィヒィ言ってました。

それだけでも結構ヒィヒィ言ってたのですが、クソ副長は僕に更なる無茶ぶりをかましてくる訳です。

副長の無茶ぶり

入って数日ですよ、数日。

ホントに日常のルーティーンすらわかってなかった僕に、

その副長はガッツリ融資案件をやらせようとしてきました。

しかも二件。

「県信保って何……?」

ってレベルのクソ担当者に、どうやら難易度がそこそこ高いらしい案件をぶつけようとしてきたのです。

一応あいつからすると僕を成長させてやろうっていう”優しさ”だとほざいてましたが、

あいつが定義する優しさを一般人の定義に変換するとパワハラに該当するので、そんな優しさはを出されてもこっちは困るしかありません。

しかもその案件に関する説明は一切なし。放置です。

日常業務が終わんなくて21時とかまで残業してるのに案件も担当しなきゃなんないのか……。

と本気で焦っていると、救ってくれたのは長期休暇から帰ってきた融資のH先輩でした。

※銀行が利用する保証会社。興味ある人は「県信用保証協会」って調べてみてください。

長期休暇から帰ってきた先輩が副長に意見してくれた

僕が融資になった時、良くして貰っていた融資のH先輩が長期休暇に入ってたんですよね。

その先輩とはモンハンを一緒にやったことから凄い良くして貰うようになり、飲みもよく連れて行って貰っていました。

今でも本当に感謝している先輩で、専ら仕事はこの人に教えて貰っていました。

この人が居なかったら僕はもっと早く仕事を辞めてたと思います。

この人は本当に仕事がやばいぐらい出来る人で、クソ副長からも一目置かれている人だったので、

「この案件は流石に重いから、自分の持つ違う案件を任せてもいいですか?」

っていう風に副長に意見してくれたんですよね。

副長は若干渋りを見せながらもそれを承諾。

僕はその人が持つ案件を一部担当することになりました。

まぁ、それも相当難しかったんだけどね。

ちなみに:融資の人員配置と人間関係

ちなみにうちの支店の融資の人員配置と人間関係をさらっと述べておきますと、

  • 副長:ヤベー奴。32歳ぐらい。仕事は死ぬほど出来る。融資全員に不満あり。
  • 先輩H:本当にお世話になった先輩。怖いけど、しっかり仕事を教えてくれるし、良くしてもらった。めっちゃ仕事できる。僕は良くしてもらったけど、敵が多い。Mと仲が悪い。
  • 先輩M:女性の先輩。自分の機嫌が良いと仕事を教えてくれるけど、機嫌が悪いと一切教えてくれない。仕事で常にパンクしそう。Hと仲が悪い。
  • 僕:融資初心者。一応グループ全員と揉めずに仕事をしてはいた。

という感じ。

ドロドロしてますよね。

そして改めて構図をみると副長やばすぎワロタ。

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まとめ

ちょっと長くなってしまったのでここで終わります。

次回は

  • 僕が初めて担当した個人居酒屋の融資案件の話

  • 信用格付

  • 融資の副長のヤバさ

の話をしていきたいと思います。

是非ご覧ください。

前回

これは24歳銀行員が、地方銀行を辞めるまでの物語【part3:奴隷職・営業】

2019年1月20日

次回

これは24歳銀行員が、地方銀行を辞めるまでの物語【part5:地獄の融資②】

2019年1月23日

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